ギャラリー 2009年 5月度
千利休の求めにより、喫茶のためのやきものとして始められた楽焼は、
一碗ずつ じっくり成形・削りを行うという手びねり技法ゆえ、
作り手の想いが形になりやすい。
気負わず作られた自然な形で、掌のおさまりも良い茶碗。テラコッタ粘土に発色用の黄土を練り込んだ土で成形し、透明釉を高台まで全部刷毛塗りしています。
三谷青子
「赤楽茶碗」
口径11.5×高8.5cm
窯変の出ているこの茶碗も テラコッタ粘土での成形ですが、表面に信楽土の泥漿を塗るなど独自の工夫をして 赤の色味の変化を狙いました。
染谷英明
「赤楽茶碗」
口径12.5×高10.0cm
荒目の白土で成形後、表面に黄土を刷毛塗りし、赤く発色させています。透明釉に珪砂を混ぜた砂釉を用いました。土見せの高台や黒い窯変とのコントラストが景色となっています。
木谷百合子
「赤楽茶碗」
口径12.0×高9.0cm
赤楽透明釉に鉄・マンガンを加えた調合の飴楽作品。口元に厚めに塗った釉が流れ、幕釉となりました。焼成は、赤楽・飴楽ともに灯油窯を用い、900℃で急冷しています。
瀧本玲子
「飴楽茶碗」
口径11.0×高8.5cm
香合は白土に黄土化粧を塗り赤味を強く出しています。右は亀をモチーフにした 赤楽では珍しい水滴です。
左 風間和子「赤楽香合」径7.0×高3.0cm
右 進藤兼興「赤楽水滴」縦7.5×横6.5×高3.5cm
薪窯焼成によるたっぷり流れた灰と、立てて焼いたことによる焦げが見所となっていますが、渦状に入れた彫文を太陽系に見立てている作者のオリジナリティーが魅力です。
木谷百合子
「灰被三足皿」
縦26.0×横27.0×高7.0cm
織部木瓜形蓋物に倣った タタラ成形による力作です。鉄絵の筆使いに勢いがあり、緑釉とのバランスも良く上がっています。
鮎川光明
「織部食籠」
縦22.5×横26.0×高10.0cm
入会半年目の黒掻落し課題作品。古代オリエントの図案をモチーフに、バックに削り目を残すことで版画風に仕上げました。作陶を楽しむ雰囲気が伝わってきます。
堀 千穎
「神獣文輪花皿」
径26.0×高4.0cm
祥瑞風の緻密な図柄で、呉須線の濃さや太さに気を配り、丁寧に描かれています。
飯田多佳子「呉須絵小皿」
左 口径11.5×高3.5cm
右 口径10.5×3.0cm
ミニギャラリー情報
日比谷ミニギャラリー
このページで紹介している作品をはじめ 当倶楽部会員の制作した作品を 毎月入れ替え展示しています。
- 場所:
- 地下鉄 日比谷駅 A5出口 階段途中
東京都千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービル