ギャラリー 2010年 2月度
旭 栄彰「青磁染付李朝猛虎図菓子器」 縦22.0×横25.0×高1.5cm
李朝の軸絵に倣い、本年の干支を呉須で描いている。毛の一本一本までの緻密な絵付は、この作者の得意とするところ。青磁釉の縁取りが新年を寿ぐにふさわしい品格のある作品となった。
堀田恭子「ランプシェード」 傘部分 縦12.0×横12.5×高21.0cm
鋳込み成形の本体に 大きさの違う二種の小穴で文様を作った照明器。細かな点状の穴からこぼれる光は 繋がった線となり、思いがけない新たな文様を壁に映し出す。
井田一惠「志野水指」
縦21.0×横21.0×高20.0cm
紐作りで厚めに成形し、直ぐに箆で思い切り良く面取りをする。百草土特有の土肌に箆先が稜線を作る。志野釉の白さと、ほのかな火色…、柔らかく力強い。
吉田洋子「蝋抜き海老文鉢」
径20.0×高6.5cm
鉄分を含んだ土で成形された素焼素地に撥水剤で文様を描き 釉を掛ける。呈色剤として酸化クロムを使った釉は、酸化焔焼成でピンク、還元焔焼成で窯変する。海老の殻 足や髭の細い線、縁の細かな文様が、筆の走りにくい撥水剤で上手に描かれている。
松本伸一「箱重花器」
縦25.0×横25.0×高21.0cm
四角い箱のそれぞれに福寿草を植え込むことをイメージして作られた花器。箱の内側は、織部・伊羅保・艶黒等 色釉を掛け、外側はマスキングをして色化粧土を塗っている。箱の積み重ね方 縦横自在な色の帯状の文様が軽やかで、花がなくても春を想起させる。
友清康子「釉刷毛文平向」
縦13.0×横17.5×高3.5cm
生素地に化粧土を施す刷毛目の技法を、素焼素地に釉薬で。藁を束ねた刷毛に 化学糊(CMC)を加えて粘りを出した艶黒釉をたっぷり含ませ、一気に描く。石灰透明釉を掛けての還元焔焼成により、全体に程良く御本が出て 黒釉も青味となり、白黒の強さが和らいだ。
真田陽子「黒掻落茸文長角蓋物」
縦9.5×横16.0×高10.5cm
生素地に黒化粧土を塗り 半乾燥させ 掻き落として、黒と素地土の白とのコントラストで文様を表す。線で彫ったり 広く面を削ったりと変化をつけて、四面に10本のキノコが配されている。
「黒掻落文壺」(初級課題)
左より 粟野純子 径11.5×高14.0cm
赤石早都子 径13.5×高10.0cm
林 高彦 径13.5×高16.5cm
井上新也 径11.0×高14.5cm
粘土紐を積み上げて壺を作り、黒掻落しの加飾をする基礎科の課題のひとつ。形・文様・釉 それぞれの違いが、四者四様の個性を表している。
ミニギャラリー情報
日比谷ミニギャラリー
このページで紹介している作品をはじめ 当倶楽部会員の制作した作品を 毎月入れ替え展示しています。
- 場所:
- 地下鉄 日比谷駅 A5出口 階段途中
東京都千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービル