ギャラリー 2011年 7月度
山梨県清春芸術村にある登窯は、
小さいながら5連で各種焼締ものから施釉ものまで焼きます。
今回は6月に焼成した各部屋の作品をご紹介します。
三浦嘉子 「照明器」 縦25.0×横40.0×高54.5cm
一番手前の部屋は大口といい、作品は長時間にわたり焚口からくべられた薪の灰をたっぷりと被り、足元は大量の熾きに埋まる、薪窯の醍醐味が豪快に味わえる所です。楕円形の器を別々に3つ作り、ずらしながら重ねて照明器に。
岩井祝子 「テラコッタ植木鉢」
径26.0×高27.5cm
第5室、捨て窯といわれる部屋。低い温度で焼けるテラコッタ土の作品を焼成しています。草・木文様は貼付けで、縁の部分は彫文を入れた楽しい作品。
樋田 緑 「青銅・双羊尊写」
縦16.0×横37.5×高34.0cm
第3室、焼成中に木炭投入して窯変を狙います。表面の細やかな加飾、かわいらしい羊に緋色が良く出ています。中国の青銅でできている作品を手本に信楽荒目土で成形しました。
児玉順子 「窯変蓋物」
径17.5×高19.5cm
第3室、信楽赤土で成形。焼成前にのせた呉須に木炭での窯変が加わり、幽玄な景色を作り出しています。
森下 弘 「窯変牡丹餅文皿」
径25.0×高3.5cm
第3室。皿の上に三ヶ所 藁を置き、灰が被らないよう童仙傍土をのせて緋襷牡丹餅文にしています。
馬渕洋子 「土象嵌魚文長角皿」
縦11.0×横26.0×高2.5cm
宮川邦雄 「土象嵌魚文カップ」
径8.0×高10.5cm
白土・水色土・黒土等でごく薄い板状の魚文ピースを作り、板状の信楽赤土にローラーで押し込んでから、皿にカップにと仕上げました。同じ色土で作っていますが、焼成条件(皿は第3室、カップは第2室で急冷と徐冷)の違いで発色が変わってきます。
矢野弘典 「志野花入」
径11.5×高17.0cm
第2室は 志野専用の部屋で、作品は灰が被らないよう サヤに入れて焼成します。釉の下からふんわりと赤味が出て、鬼板での絵付も濃淡が良く出て勢いがあります。
松本光江 「窯変化粧花文皿」
径32.5×高4.5cm
第4室は、釉薬を掛けた作品を入れる部屋です。唐津・粉青沙器(赤土に白化粧で加飾したもの)・織部・黄瀬戸等、この部屋で還元と酸化の作品を焚き分けます。白化粧の掻落しと象嵌で蓮華草を一杯に咲かせた粉青沙器の大皿には御本(赤味の窯変)が出ています。
旭 栄彰 「黄瀬戸松竹梅文角皿」 縦16.0×横16.0×高3.0cm
第4室。彫文様は松・竹・梅、立上りの部分には松ぼっくり・竹の子・鶯の細工ものが貼り付けてあります。第4室で一番難しい黄瀬戸ですが、良い油揚手に上がりました。
ミニギャラリー情報
日比谷ミニギャラリー
現在は、当倶楽部の見本作品を展示しております。
- 場所:
- 地下鉄 日比谷駅 A5出口 階段途中
東京都千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービル