創立45周年記念 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展受賞作品一覧
陶芸部門 本年度審査員 竹内順一・前田正博・杉浦康益・外舘和子・栗原直子
(敬称略)
松浦清人 「海の生き物たち」
カジキマグロ 13.0×28.0×42.0cm
ロブスター 24.0×32.0×17.0cm
タコ 25.0×32.0×23.0cm
カニ 16.0×24.0×17.0cm
東京国立博物館に重文として収蔵されている宮川香山(明治の陶工・帝室技芸員)の蟹の作品があるが、それに負けないリアルさで、4種類も出している。特に蛸の自由さはアマチュアの大胆さがよく出ていると思う。またそれぞれの台もやきものでちゃんとぴったり組み合わせている。やきものをいかにも楽しむ、土と生き生きと向き合って作る、いまの作り手の仕事だと思った。宮川香山を超える現代の作家がこの日本陶芸倶楽部から出てきたということで、非常に楽しく見せていただいた。
外舘和子
大野鞠子 「ガラス象嵌花器」
13.0×25.0×26.0cm
見たときに、お!できるな、ガラスの色の感じがなかなかすごい、と思った。ガラスの質感、プロにはできないような仕事だと思う。
前田正博
藤牧広子 「亀の親子」
親 29.0×43.0×15.0cm
子 18.0×26.0×9.0cm
モチーフを変えることによって今までの技術が新しい技術になってくるというやきものの可能性、そういうものをちょっと感じさせる作品。灰被りでおしまいではなく赤絵を加えてみたら、和モダンで面白いものになると思う。
杉浦康益
佐藤髙雄 「赤と黒 指の追憶」
赤 φ12.0×10.0 黒 φ11.0×9.0cm
デザインされていてちょっと面白いと思った。茶碗の新しい方向性が見えたので選ばせていただいた。
杉浦康益
高井洋子 「花とカメレオン」
14.0×18.0×10.0cm
僕の奮闘で賞に選ばせてもらった。依怙贔屓かもわからないけれど、新しい風となるようにこれからも頑張ってください。
杉浦康益
中村直子 「おはなし…。」
φ41.0×4.0cm
猫の模様(毛並)がすごく斬新、新しいテクニックみたい。絵付の方法だけでなく、何とも言えない間を感じた。飼っている猫だという雰囲気がすごく出ている。作り手独自のニュアンスがすごく含まれていて、ほのぼのとした気持ちでいいなと思った。
杉浦康益
飯田多佳子 「江戸火鉢」
19.0×19.0×13.0cm
祥瑞風というか模様も決まっていて、金網も載って、実用的に使える楽しい良い作品だ。
前田正博
田向章子 「花器 LOVE」
L 10.0×28.5×39.0cm
O 6.5×15.5×19.0cm
V 7.0×23.5×29.0cm
E 5.0×7.5×16.0cm
意欲作ということで選んだ。模様とかも大事だけどまずは形、それが多分やきものの一番の本質だと思う。こういう造形的なもの、特に四角の立体となると、立体感・存在感をいかに出すかがとても大事。
杉浦康益
和氣洋美 「おしゃべり」
φ31.0×45.0cm
視覚心理学の立場からの発想で、我々が思いもつかぬものを陶芸作品にしてしまう。そのエネルギーに毎年驚かされる。今回は回転させることで、単なるプロフィールではなく、おしゃべりしている状況を創り出したのがすごい。
栗原直子
國保有理 「祥瑞 私のお気に入り」
筆洗 大 14.0×14.0×8.0cm
筆洗 小 7.0×7.0×7.0cm
龍平鉢 φ16.0×5.0cm
平茶碗 φ16.5×5.5cm
茶碗 φ13.0×7.0cm
飯碗 φ12.0×6.0cm 2ケ
しっかり形を作っている。通念的な祥瑞文様ではなく、自由にアレンジして楽しんで絵を描いている。かなり時間のかかった絵付だと思うが、1つ1つ楽しめる素晴らしいセットだと思う。これも、倶楽部のようなアマチュアで長く自分の世界を作ることに徹している人ならではのものだと思う。
外舘和子
沓名俊久
「飛魚と青海波文ワインクーラー」
20.0×28.0×17.0cm
皆さん絵付が非常に上手いと思うが、僕は比較的デザインソースを絵に求める。絵をよく見て、僕が使えるかなぁって。その点、これはシャガールを彷彿させて非常にいいなと思った。
前田正博
小堺ひとみ
「モナリザの微笑み」
φ41.0×4.0cm
なかなか芸が細かく、よくできていると思う。
前田正博
田口葉子
「ららら♪」
ポット 10.0×18.0×14.0cm
シュガーポット φ8.0×7.0cm
カップ φ6.0×7.5 6ヶ
ソーサー φ13.0×2.0cm 6枚
このユニークな質感、特に家が並んでいるつまみが面白いと思った。一つの世界観がカップ&ソーサー、ポット、砂糖入れ すべてに行き渡っている。皆でお茶を飲むというひとつの場を提供できるセットとして評価した。
外舘和子
安西美津子
「異人さんの国へ行った女の子」
約5.5×10.5×6.0cm 8ヶ
皆さんの作品の中でちょっと異質で、ウイットじゃないけど、こういう楽しみ方もあるということで皆さんに刺激になるといいなと思い選んだ。
杉浦康益
中村敬子 「黄いろのシンフォニー」
φ26.5×4.0cm 3枚
ご自身のスケッチから文様にデザイン・レイアウトし、施釉の手間もおしまず完成度の高い作品に仕上げている。41年というアマチュア陶芸家としてのキャリアに敬意と称賛を込めて。
栗原直子
日本画部門 本年度審査員 滝沢具幸・宮城 真
(敬称略)
秋田谷香代 「きょうのごはんなあに?」
45.0×57.0cm
墨絵は濃淡の仕事。墨と水とのバランスが微妙なニュアンスを出し、とても新鮮で魅力ある作品となった。タイトルもとっても楽しい。
宮城 真
ミニギャラリー情報
日比谷ミニギャラリー
このページで紹介している作品をはじめ 当倶楽部会員の制作した作品を 毎月入れ替え展示しています。
場所:
地下鉄 日比谷駅 A5出口 階段途中
東京都千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービル
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