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第31回 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展受賞作品一覧

第31回 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展受賞作品一覧

陶芸部門  本年度審査員 中村卓夫・鈴木 徹・外舘和子
(敬称略)

審査総評
使う場、飾られる場、使う用途、使う人、見せたい人、etc。
モノを考える時の緊張感。夢中に作っている時の喜びと期待。
晴れ舞台に並ぶ作品達はそんな全てのワクワク感に溢れ新鮮です。
プロがたじろぐ瞬間がそこにあります。
中村卓夫
今回、2回目となる審査をさせて頂いたのですが、毎回皆さんが楽しんで作っていらっしゃる雰囲気が伝わってきてこちらも楽しくなります。前回の審査の際に印象に残っていた作風が今回もありましたけど、それぞれが前回よりもよくなっている印象を強く受けました。全体的にも、皆さん腕が上達されたのかよなった印象を受けました。  
鈴木 徹
いろいろな所で審査する機会が多いが、今回改めてアマチュア的な精神の大切さを考えさせられた。余計なことは一切考えず、自分の作りたいものに向かって行く姿勢がよく表れている。また、それを続けていくことでさらに技術が表現を助けているものが今回も賞に挙がってきた。 
外舘和子
最優秀賞
佐藤髙雄 「方法論が形を規定する」 29.0×29.0×33.5cm
佐藤髙雄
 「方法論が形を規定する」
29.0×29.0×33.5cm
幾何学的な形態を土という可塑性のある素材で作ると固くなりがちだが、この作品は非常に動きがある360度考えられた形。しかも3つの形が、一つの形を形成していくが、それが一体感のあるものになっている。
海外で立体造形はもはやデジタル3Dプリンタで作成するのが主流だそうです。そのデジタルものづくり方法論を盗用、平面に見立てたタタラ板を積層し形を作る、いわばアナログ3Dプリンタによる造形です。重心と強度を考えてONNOとカットした5㎜のタタラ板を表裏ランダムに重ね、中心角を1度ずつ回転し約90枚ドベで繋ぎました。なるべく情緒性を排除、土のマテリアル感は残せるよう白マット釉を薄く吹き付けてあります。轆轤・鋳込みなどの方法では作りえない形に至りました。 
佐藤髙雄
優秀賞
志岐公子 「茜の山」 22.0×22.0×3.0cm 5枚
志岐公子
 「茜の山」
22.0×22.0×3.0cm 5枚
とにかく気持ちのいい作品。筆ひとつひとつが丁寧であるけれども、作為を感じさせず、そこが新鮮に感じた。土もので赤色の透明感をここまで出すのは大変、相当苦労されただろうと思う。卓上でお料理を盛りつけたときのハレヤカさは、ご家族と楽しめるな、と。これはアマチュアの器としてはすごく大切なことだと思う。
この度優秀賞を頂き、私自身驚いています。「偉大な山の落陽」がテーマでしたが茜色の表現に悩みました。上絵付の赤を何回も塗り直し出来たのがこの「茜の山」です。楽しい作品になったと思います。
志岐公子
谷川徹三賞
内田恒雄 「赤絵金銀彩春秋食籠」 左φ23.5×10.0cm 右φ23.5×11.0cm
内田恒雄
「赤絵金銀彩春秋食籠」
左φ23.5×10.0cm 右φ23.5×11.0cm

きっちりとした蓋の合わせ目や側面の流れるような絵付け…、非常に完成度が高くて、しっかりとしたプロっぽい作品。地の漆を思わせるような発色の質感、金・銀の華やかな絵付けで、蒔絵を思わせるような雅な存在感のある作品となっている。
ここ数年、根来漆器の下塗りの黒漆と上塗りの朱漆の風合いに魅せられ、陶芸での表現を試みてきました。今回はさらにその上に金銀彩の文様を描いてみました。谷川先生は昭和41年11月に刊行された「根来」(図録編集 荒川浩和、溝口三郎)に序文を書かれ、ご自身でも量感のある大鉢を御所蔵されていたとのことです。今回、図らずも谷川徹三賞を頂き大変感謝しております。
内田恒雄
耳庵賞
松本伸一 「朝鮮唐津水指」 φ19.0×18.5cm
松本伸一
「朝鮮唐津水指」
φ19.0×18.5cm

作者は3点違う作風の作品を出品していたが、それぞれ審査員に人気があった。これは長くやることで作品の幅が出てくるということだと思う。 この作品は奇をてらわない素直な形、水指が水を湛えるという豊かさみたいなものをストレートに伝えている。朝鮮唐津という釉の掛け方だが古臭くない、むしろ現代的なシンプルな美しさがある。
古希を機にスキューバダイビングと茶の湯を始めました。お茶のお稽古を始めてみると、茶碗や道具を作っても成る程と思うことが多く、楽茶碗等にも挑戦しています。この「朝鮮唐津」は2回目で、釉の掛け方を工夫し、納得できる釉の流れになってほっとしました。それが審査員の先生の目に留まり、「ラッキー!」です。茶道具の奥の深さにたじろいでいるのですが、この受賞を励みに更に精進したいと存じます。 
松本伸一
NHK厚生文化事業団賞
森令二 「ゆく年くる年~来年はまかせたよ!~」 左馬6.0×16.0×13.0cm<br />右馬7.0×18.5×14.5cm<br />羊7.0×3.0×4.5cm 5頭<br />羊鉢10.0×13.5×7.5cm
森令二
「ゆく年くる年~来年はまかせたよ!~」
左馬6.0×16.0×13.0cm
右馬7.0×18.5×14.5cm
羊7.0×3.0×4.5cm 5頭
羊鉢10.0×13.5×7.5cm

単に干支をモチーフにするのではなくそれを利用して一つの世界を作るという、物語性がある。物語に奥行きがあり、干支と人間との係わりを感じさせる。一つ一つ繊細に作られていて、技術的にもよくできている。 
馬A「今年は忙しかったねぇ」馬B「仕方ないよ。12年に一度回ってくる大切な御役目だからね。しかも年も押し迫ったこの時期に素適な賞まで頂けて!名誉なことさ」馬A「ご主人様の家の玄関の棚にずっと飾られてた僕の妹のうま子も、賞の話を聞いて大喜び。亡くなったお爺ちゃん、ハイセイコーも喜んでいると思うよ」馬B「羊さん達!来年は君たちの出番だ!よろしく頼むぜ!!」羊A「忙しいのは覚悟しているわよ!こんな素適な賞まで頂き本当にありがとうございます。」羊B「みんな!今年の馬さん達の活躍に負けないよう、ベストを尽くしましょう!!」
羊一同「Yes We Can!!!」
家で留守番をしていました馬・羊をはじめ、動物くんたちに受賞の件を伝えました所、皆大喜びでした。特に鼠くん、猿くん、鳥くん、虎くんなどは次は自分たちにも・・・という淡い期待感で興奮していました。本作は、倶楽部の先生の一言から羊のアイディアが膨らみ、タイトルも同じく先生との会話から生まれました。また、クラス仲間の諸先輩たちが醸し出す楽しい雰囲気も作品を生む肥やしです。感謝!
森令二
毎日新聞東京社会事業団賞
田口葉子 「ドロップス」 陶匣15.0×15.0×6.0cm 蓋物φ8.5×10.0cm 2ヶ 皿φ11.0×2.0cm 6枚
田口葉子
「ドロップス」
陶匣15.0×15.0×6.0cm
蓋物φ8.5×10.0cm 2ヶ
皿φ11.0×2.0cm 6枚

ドロップの模様が立体的になっていて、蓋のつまみもドロップ、蓋を開けると中にドロップが転がっている、楽しい良く考えられた作品。プロの方がやらない、楽しさ一杯の何とかして自分らしさを表現しようとする姿がありありと感じられる、ここでないと見られない作品。
化粧土を使い始めて以来その魅力にはまり、自分らしい作品を作る上で欠かせないものになりました。今回の作品では、化粧土を2~3色を塗り重ねたりすることで、ドロップが艶黒釉から浮いて見える様な立体感を出す工夫をしました。その甲斐あって、外舘先生より「触るとドロップを感じる」と評をいただきました。これからも色化粧土の多彩な表現を模索しその魅力を作品にいかしていきたいと思います。
田口葉子
鈴木徹賞
吉田洋子 「古九谷に倣って食卓に華やぎを」 スープ碗10.0×16.0×4.5cm 5客 ソーサー15.0×18.0×2.0cm 5枚 丸皿φ16.0×2.5cm 5枚
吉田洋子
「古九谷に倣って食卓に華やぎを」
スープ碗10.0×16.0×4.5cm 5客
ソーサー15.0×18.0×2.0cm 5枚
丸皿φ16.0×2.5cm 5枚

会場を回っていて、一番最初にこの黄色が目に飛び込んできた。美味しいものを買ってきて真っ白い器に盛って食べるより、自分の気に入った自分の器に盛り付けて食べたら百倍も何千倍も美味しくなる。そんな想いや、作っているときの楽しさみたいなものがすごく伝わってきた。
若い頃より絵画や工芸に興味を持ち、いつか自分でも創作してみたいと思っておりました。ここ数年やっと念願が叶い、倶楽部で自由に作陶活動ができるようになり日々の生活がとても豊かになりました。できあがった作品をただ眺めるのではなく、日々の暮らしの中に活かしてもっと華やぎを添えたいと思い、最近はもっぱら来客の時に使える食器をセットで作っています。この作品はその中でも一番の会心の作だと自負しているものです。不思議なもので"馬子にも衣装"と言いますか、つまらないお料理でも自分で作った器に盛ると、とても立派に美味しそうに見えるのです。これからも、もっともっとお金をかけないお料理で、器でごまかしてお客様をおもてなししていきたいと思っております。
吉田洋子
中村卓夫賞
井上智雄 「楽しいひととき」 徳利φ11.0×13.5cm 盃φ8.0×3.0cm 2ヶ >蓋物φ7.5×7.5cm 長角鉢19.0×24.0×7.0cm 
      炉φ16.0×8.5㎝ 手付皿φ18.0×3.0cm
井上智雄
「楽しいひととき」
徳利φ11.0×13.5cm
盃φ8.0×3.0cm 2ヶ
蓋物φ7.5×7.5cm
長角鉢19.0×24.0×7.0cm
炉φ16.0×8.5㎝
手付皿φ18.0×3.0cm

作り手は楽しい、ご家族に迷惑、…陶芸教室に通われている方が必ず陥る世界ですが、この作品はそこを超えた魅力があると思う。キャリアたっぷりなバイタリティーというか強さが作風の中にふつふつと表れてきている。
外舘和子賞
貴布根桂子 「残照」 28.5×51.0×39.0cm
貴布根桂子
「残照」
28.5×51.0×39.0cm

陶芸をやる人達に、土にとにかく全身で向かう楽しさをまず一番大事にしてほしいと思っている。
この作品からは土で作る楽しさ、土の可塑性と自分が直接勝負するんだという意気込みが伝わってくる。かなり大作だが細部まで丁寧に密度を上げる努力をしていて、日本陶芸倶楽部でこういう作品が少なからず出てくることに頼もしさを感じた。 
作業台の上に水と筆で造ろうとする形のイメージを描く。当然のことながら水で描いたイメージは消えていくが、その頃には手の方が動いて形が造られて行く。今回も同じで子供のころに遊んだ江ノ島の岩場を思い出していた。波が打ち寄せては引く。引いた波、現われたごつごつした岩肌、そこに残る陽と影。白波と岩と陽を感覚的に表してみた。
貴布根桂子
日本画部門  本年度審査員 滝沢具幸・宮城 真
(敬称略)

優秀賞
秋田谷香代 「秋の記憶Ⅱ」 48.0×63.0cm
秋田谷香代
「秋の記憶Ⅱ」
48.0×63.0cm
そもそも陶芸の絵付けのために始まった教室だが、今では絵に凝った人もいて、陶芸同様みんな楽しんでやっている。
優秀賞は墨絵で、唐紙に描いている。墨の滲みを使って上手く表現している。上手いだけではなく、素朴な面白さもある。これは20分位で一気に描いた。
人気投票1位の作品は日本画で岩絵の具を使っている。作者にとって身近な教会のステンドグラスからヒントを得て描いている。こちらは何ヶ月もかけてじっくりと岩絵の具を重ねている。
 
自分のことは自分でよく分からないことが多いものですが、描いたものについても同じかもしれません。主婦である私にとっては大根も里芋もとても身近な存在です。毎日おいしく食べたいと真剣に素材と向き合って料理をしています。今回このようにご評価をいただいて、自分では身近すぎてよく分からないもの、でも長い時間自分の中に取りこまれているものが野菜なのかなぁと考えさせられました。こんな風に描くことでいろいろな発見をさせていただいています。これも偏に先生方並びに一緒に描かせていただいているお仲間のおかげだと思っています。 
秋田谷香代
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