ミニギャラリー 2014年 11月度
炭化焼成とは、作品をいぶしながら本焼きする技法です。匣鉢の中に作品とともに大小の木炭やモミ殻等を入れて蓋をし、そのまま窯詰めします。酸化・還元等、窯内の雰囲気にかかわらず匣鉢の内部は強い還元がかかり、その炭素が作品に吸着することで窯変します。木炭等の量や、密度と埋め方、土の種類によって様々な景色が生まれます。
矢作邦江 「細水指」 径12.0×高21.0cm
赤土を使ったこの作品は、黒から褐色、緋色へと、複雑な景色が波状の層となって全面に表れています。
高橋栄子 「貝形皿」 縦16.0×横19.0×高8.0cm
板状の作品は、立てて埋めることで窯変の位置をよりコントロールできます。
田代英寿 「花入」
径11.0×高14.0cm
鉄分の少ない白土においては、稀にこのような金属調の輝きが生まれます。
根本温子 「花入」
径9.0×高20.0cm
粗めの木炭を使い作品との間に隙間ができるように埋めると、炭素の吸着具合により抜き文状の模様が出ることがあります。
田中 徹 「鉢」 径17.0×高7.0cm
施釉された灰釉に強い還元作用による青味が加わり、きれいなビードロ釉になっています。
晝間康雄 「花入」
径11.0×高23.0cm
白泥を筋状に象嵌した作品。象嵌部分も炭化による変化が見られます。
左 奥田雅子 「湯呑」 径8.0×高10.0cm
右 鈴木信行 「醤油差」径11.0×高9.0cm
左の白土作品は、あえて木炭の量を減らし、モミ殻をメインに使用することで明るい緋色の焼き上がりに。右の醤油差は、赤土の鉄分による赤褐色の窯変が表れ、黒味とのコントラストが鮮やかに出ています。
「色絵八寸」 左 髙橋さかえ 右 武田茂子 縦25.0×横25.0×高3.0cm
9月の茶陶テーマ日曜作陶会「八寸 乾山に倣う」での作品。角鉢に下絵付と上絵付を施しました。
髙橋さんは、乾山に倣った萩文様、武田さんはご自身で釣り上げたメバルを描いています。