ミニギャラリー 2019年 5月度
「黄の瀬石はぜ土」
信楽焼の胎土となる希少な黄の瀬土。今回、その原土をふるいに掛け 主成分とした「黄の瀬石はぜ土」による作品が数多く集まりました。大口(第一室)で焼成。
奥左より 衣袋めぐみ 峯村英二 窪田裕一 田中 徹
手前左より 池田 博 原 武史 佐々木真由美
郷原恵美子 「花入」
径14.5 高27.5 cm
黄の瀬土の特徴である明るい火色が全体に現れ、また 仄かに被った赤松の灰が 鎬ぎ面に施された縄文の起伏を美しく浮かび上がらせています。
田中 徹 「茶碗」
径14.0 高8.5 cm
強く腰を落とした造形、ヘラ目や高台の貝目も加わり、見所の多い茶碗となりました。
北岡良子 「花器」
径11.5×23.5 高13.0 cm
たっぷりと降りかかった灰は釉薬状になり、成形時に追加した大粒の硅長石を覆っています。
宮川邦雄 「壺」
径18.0 高21.5 cm
焚口近くに詰められたこの壺は、灰のビードロや条痕、熾に埋もれた焦げにより、伊賀焼風の重厚な焼き上がりとなりました。
三浦嘉子 「窯変陶水槽」
径20.0×12.0 高28.0 cm
登窯に向けた作陶会「窯変陶水槽」作品。本作は焚き上げ最後に炭を投入する炭窯変室(第二室)での焼成。寝かせて窯詰めし、歪みを抑えた正面開口部には、後日ガラスを嵌め込み水槽に仕立てます。
宇田比呂美 「テラコッタ植木鉢」
径23.5×9.5 高22.5 cm
煙突とつながる第五室ではテラコッタ作品を焼成。狙い通り、明るい土色に焼き上がりました。
繭山和子 「備前徳利」
径9.0 高14.5 cm
備前土に含まれる多めの鉄分が、炎の作用により褐色から赤、朱色へと窯変を見せています。
峯村英二 「高取茶碗」
径12.0 高9.2 cm
茶陶テーマ日曜作陶会「高取」にて制作した薄手の手びねり茶碗。飴釉に重ね掛けた天目釉と藁灰釉が美しく流れ、高取らしい景色を作り出しています。
相良多恵子 「高取茶入」
中央 径6.5 高6.7 cm
重ね掛けした柿天目釉で表情を出した高取作品。窯詰めした場所の僅かな差で 3点それぞれの色味に違いが出るのも、薪窯ならではの楽しみです。