ミニギャラリー 2019年 9月度
4月29日に特別講師に和田的先生をお迎えし、先生の作品の特徴である「削り出し技法」をご指導いただきました。有田の特級磁土で厚めにロクロ挽きした素地を、まず底部は四方に、そして口元に近づくにつれて、そのエッジを残しつつも徐々に丸みを帯びるよう削り出し、効果的な陰影表現のフリーカップを目指しました。
左 今野丹子 中 武田茂子 右 松浦清人
今野さんは捻じれを加え、武田さんはシンプルに、松浦さんは鋸刃模様状の八面形態に仕上げました。
宮川邦雄
2点ともに先生の作例を参考にし、1点は格子のラインに上下互い違いに段差が生まれるよう削りを施しました。
1作目に四面の角が順送りになるように削り、2作目ではさらに複雑な削りを加えています。
巖谷さゆり
森山悦子
それぞれ帯状に厚みを残して四面を作り、帯の部分に凹凸部を削り出しました。
大小様々な面の分割がスマートで、デザイン性の高いカップに仕上がっています。
上田欣子
左 安西美津子 右 宮坂俊夫
本体の稜線を境に対称の削りを行い、ユニークな表現をした安西さん。
宮坂さんは先生風の意匠を敢えて下部のみに施し、独創性を出しています。
垂直の立ち上がりを敢えてそのままシルエットに残し、中央部はさらに深く削りを加えています。傾斜・カーブの異なる面の併存が拘りのポイントです。
飯塚治代
間宮英子
凹凸のある細かな市松とレリーフ文様。技術力の高さが窺えます。敢えて下絵具での着色も試みました。