ミニギャラリー 2020年 7月度
86.5時間にわたる焼成が終わり、静かに夜明けを待つ窯。
山梨県北杜市清春芸術村の一角に位置する5袋の登窯。
築窯後、幾度となく手を入れながら、この春61回目の窯焚きを行いました。
第1室 大口(左側出入口より撮影)
第1室には信楽土で成形した灰被り、焼締作品が入ります。
出光昭介 「灰被甕」 径47.0 高41.0 cm
大口窯内の写真手前に写る、大きく口を開いた甕。
粘土のひもを積み上げ叩き締めた成形時は、直径55cm高さ48cmの大甕でした。
竹谷嘉彦 「灰被照明器」
径22.0 高21.5 cm
工藤こづえ 「灰被鎬文花入」
径12.0 高32.5 cm
焚口・ロストル周りに置かれたこの2点はビードロ、焦げ、熾に埋もれた部分の黒・グレー、灰の流れ(条痕)など色々な景色が出ています。
馬渕洋子 「焼締照明器」 径16.0×13.5 高27.0 cm
大口奥の棚に詰めた作品は、少し穏やかな灰と緋色のコントラストを楽しみます。
石つぶが荒々しい土肌を作る信楽原土入の土でタタラ作りしています。
第2室 炭窯変室
鉄分の多い信楽土を使用。作品は平置きにし、焚きの終盤に炭を投げ込み強還元をかけることで土肌に赤・茶・グレー・黒といった窯変が出ます。
峰村雅子 「窯変一輪差」
径7.0 高16.0 cm
ロクロ挽きしたボディに、薄くスライスした粘土に彫り・貼り・切込みを入れ、
浮かせて貼り付けています。
香西慧 「窯変手桶花入」
径21.5 高16.0 cm
赤い緋色から黒い焦げまで色の変化が多彩に出ていて窯変室ならではの焼上りです。
武田芳子 「焼締葉形皿 窯変牡丹餅文葉形皿」
径14.0×9.5 高3.5 cm
1室・2室と色々な場所で焼かれ、灰たっぷり、緋色多め、牡丹餅文、窯変と様々な表情の上りになっています。