ギャラリー

2023年11月22日

第40回日本陶芸倶楽部アマチュア作品展受賞作品一覧

第40回日本陶芸倶楽部アマチュア作品展受賞作品一覧

※黒文字は審査講評、黄土色文字は受賞者コメントです。
陶芸部門  本年度審査員 谷本洋・星野友幸・栗原直子 (敬称略)
審査総評
作品ひとつひとつに自分自身が出ている。一生懸命でそれぞれ作者の歴史が感じられる。技術的にも素晴らしい。

最優秀賞
齋田友紀子  「楕円鉢 暮の秋」 径27.0×22.0高8.5cm
齋田友紀子
「楕円鉢 暮の秋」
径27.0×22.0高8.5cm
空間もあって、絵も素敵。見込にポツンと出ている御本もチャーミング。何かを盛ったところが想像出来る良い器。
谷本洋
アマチュア作品展、最優秀賞を頂きましてありがとうございます。
名前を呼んで頂いた時、信じられない思いでした。とても嬉しく存じますと共に、先生方を始め、ご一緒させて頂いてるお仲間の皆様に感謝申し上げます。
谷本先生の選のコンセプトが「自分が使いたい、欲しいと思うもの。作品は盛って使える、空間もあり何か盛った物が想像出来る」との何よりのお褒めのお言葉に心より嬉しく思いました。
亡夫と私は葡萄(ワイン)が好きで、陶芸でも表現したいと思い、色々な技法に挑戦、ご指導頂いてます。また齋田記念館のパンフレットの表紙にも齋田家代九代雲岱の葡萄図を使用しており、思い入れの深い物です。その葡萄紋を選んで頂き喜びもひとしおです。 賞を励みに精進して参りたいと思います。ありがとうございました。
齋田友紀子
優秀賞
中村直子 「古希の記念に70匹のネコを作りました」 径57.0×52.0高9.0cm
中村直子
「古希の記念に70匹のネコを作りました」
径57.0×52.0高9.0cm
猫に対する愛情がダイレクトに伝わってきた。猫同士の会話も聞こえてくるような素敵な作品。
星野友幸
70歳の古希を記念して70匹のネコを作り、それも入れて、今年6月、個展を開かせていただきました。それが、今回思いもかけないご褒美を戴くことになりました。私の陶芸の集大成と思って開いた個展。ネコばかり作ってきてこれで良かったのか?という不安がなかったわけではないのですが、そのすべてを肯定されたようで、涙が溢れました。これからも一途にネコを作ることで自分を表現してゆきたいと思います。
中村直子
耳庵賞
黒澤公博   「漢緑釉高楼」 径15.0×13.0高27.0cm

黒澤公博
「漢緑釉高楼」
径15.0×13.0高27.0cm
造形がしっかりしている。登窯焼成、織部釉の選択が作品の品格を高くしている。茶室の床に 飾りたい。
栗原直子
以前、古美術鑑定家で、収集家でもあった靑山二郎さんの伊豆にある別荘を譲り受けました。これがきっかけとなり靑山さんの収集品をいろいろ調べてきましたが、その中で心に残った一品がこの高楼です。しかし、靑山さんは終戦直後どうしても欲しかった自転車を手に入れるためこの高楼と交換されたそうです。その後この高楼は行方知れずとなりました。
そこでこの度これを再現してみようと思い立ち作ったのがこの作品です。
成形はいたって不出来ですが、上手く焼成していただき自分としても満足のできる作となりました。 今回は図らずも受賞の栄誉に浴し心から感謝申し上げます。
黒澤公博
谷川徹三賞
水野雅生 「グーテンベルク聖書」径19.0×12.5高23.0cm

水野雅生
「グーテンベルク聖書」
径19.0×12.5高23.0cm
ビードロ・焦げ等、薪窯の力をがっちりと受け止めた谷川徹三先生好みの作品と思われた。
栗原直子
この度は陶芸倶楽部の作品展におきまして谷川徹三賞受賞の栄に浴しました。
ご縁があるもので谷川先生は父の友人で、私の恩師でもあります。40数年前日本陶芸倶楽部入会にあたりご推薦を頂きました。私は現在「ミズノプリンティングミュージアム」を開館しており、収蔵品の中から「グーテンベルク42行聖書」をモチーフに花瓶に見立てました。登り窯で焼成し、先生のご指導のおかげで図らずも受賞出来ましたこと感謝致しております。
水野雅生
谷本洋賞
許斐順子 「黒地唐草文平鉢」 径26.0高6.5cm

許斐順子
「黒地唐草文平鉢」
径26.0高6.5cm
自分が欲しい、使いたい。派手じゃなくてテクニックも素晴らしい。
谷本洋
艶黒釉の平鉢全面に上絵付の赤で唐草模様を自由に描きました。この鉢に何を盛りましょう。煮物?それともサラダを?食卓で主役になれるか、それとも脇役になるのか、そのようなことを考えながら作陶し絵付をするのは楽しいものです。この度谷本洋賞をいただき、とても嬉しく思っております。
許斐順子
星野友幸賞
眞木博茂 「DOGU DINOSAUR」 後列中央縄文の女神 径17.0×10.5高44.0cm

眞木博茂
「DOGU DINOSAUR」
後列中央縄文の女神
径17.0×10.5高44.0cm
土偶と恐竜、ロマンのあるテーマをひとつにした意匠に心を奪われた。作っている時の作者の楽しそうなのが伝わってきた。  
星野友幸
今までファッションデザイン一筋できた私が65歳になり、初めて洋服以外の物作りに夢中になったのが陶芸です。
今はまだ初めて1年半ということもあり、次から次へと創りたいものがあふれ出てきます。
この作品は、私が思うに日本人の造形としての原点ともいえる土偶に魅せられ、先ずは、写し、そしてそれをオリジナルへと発展させる為に大好きな(最近ですが)恐竜との合体を思いつき、作陶したものです。
そのオリジナル1号を認めて賞をいただけたこと、大変うれしく思います。
眞木博茂
毎日新聞東京社会事業団賞
戸枝果子 「ブレーメンの音楽隊」 径20.5高3.0cm

戸枝果子
「ブレーメンの音楽隊」
径20.5高3.0cm
お茶の菓子器として使える。無心になって楽しんで作ることが一番大切。その部分で素敵な作品。
谷本洋
今回は毎日新聞東京社会事業団賞を頂けてとても嬉しいです。ちょうど昨年の作品展で私が6年生の時に、佐藤さんに紹介して頂き、この陶芸倶楽部に入りました。私は金曜日学校が終わった後竹田先生に教えて頂いております。実は私の作品は少し間違いがあります。ブレーメンは1番下が本当はロバなのですが、牛肉の事を考えながら描いていて、牛にしてしまいました。でも土台が牛の方がバランスが崩れなさそうなので、案外牛で良かったのかもしれません。選んで下さり有難うございました。
戸枝果子
NHK厚生文化事業団賞
青井浩也 「紫陽花と菊」 紫陽花 径37.5×24.0高4.0cm 菊 径39.5×24.0高3.5cm

青井浩也
「紫陽花と菊」
紫陽花 径37.5×24.0高4.0cm
菊 径39.5×24.0高3.5cm
土だから出来た花。作っている時の痕跡(勢い、指跡の力強さ)が植物の生命力と相まって素敵。
星野友幸
この度、賞をいただき有り難うございました。もとより技の不確かさに加え、八十路を越えると手の動きもままなりませんが、最近は上手にというより自分流の作陶を見いだしたいと思っています。自分の世界が開けるかどうかは解りませんが・・・。今回は紫陽花と菊をテーマとしましたが、写実より、花の迫力と不思議な美を表現するよう心がけました。諸先生にはきめ細かくご指導をいただき心から感謝しています。
青井浩也
日本画部門  本年度審査員 滝沢具幸・宮城 真 (敬称略)

優秀賞
桑名修一 「祈り」 縦52.5×横40.5cm

桑名修一
「祈り」
縦52.5×横40.5cm
墨絵で陶芸の呉須と墨の関係が分かるのは付立法ですが、今回は線描だけのものを選びました。 吊るしたところの構図が面白い。 
滝沢具幸
細く棒状のトウモロコシ。乾燥していて、もとに、軽く折られた白い紙の飾り。紐が巻いてあり、他方の端には、同じものが付いていたと思われる輪。
 粒は小粒。様々な彩り。素敵な飾り。
 お米だったのか、穀物を吊るして神に感謝する話の写真が浮かんで来て、鈴振りでもしたい気分になった様な気がします。
桑名修一
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