ミニギャラリー 2023年 9月・10月
無釉で本焼焼成(1240℃)をした素地に低火度釉を筆置きし、800℃で焼き上げる軟彩は透明感のある鮮やかな色が魅力です。下地に化粧掻き落しで文様を入れることで彫った線に溜まった釉の色が強く出ます。
山本幸子「花文大鉢」 径26.5×26.5 高11.5cm
黒化粧土で輪郭を描いた花文にも地にも細かな彫文を入れています。
花文に濃い黄釉をのせることで、彫った線がしっかりと出て来ます。
田中徹
「龍頭壺」 径15.0×15.0 高46.0cm
唐三彩に構想を得た壺は、ロクロ挽きのボディに龍の頭と尾の形の持ち手を付けて。
上野桃子
「兎文扁壺」 径16.5×9.0 高20.0cm
生素地に茶色の色化粧をのせた野兎は、黄色の軟彩釉を掛けることでやわらかな色合いに。
進栄子 「兎文鉢」 径17.5×17.5 高7.0cm
加藤土師萌先生の作品に倣った器は、手びねりの形と愛らしいうさぎの表情でやわらかい雰囲気に仕上がりました。
大滝喜弘
「鳥蓋物」 径9.0×8.0 高15.5cm
鳥のトサカと羽の部分を軟彩に。
鮮やかな色が造形を引き立てています。
齋田友紀子「花文デザートの器」 碗 径11.5×11.5 高6.0cm
皿 径11.5×11.5 高1.5cm
今回のテーマ「デザートの器…碗・皿」。内側は白地を生かして花文を散らし、外側はイッチン盛でアクセントを入れ涼しげな青釉で仕上げています。
天然鉱物を原料とする呉須は、本来そのコバルト成分の純度の高さが求められますが、一方で鉄やマンガンの混ざった物には鮮やかさとは違う黒味の発色の落ち着いた趣があります。御本の出やすい化粧土を掛けた陶器粉引素地に絵付をすることで、鮮やかな呉須絵とは違う佗びた作品になりました。
武田芳子「窯変銹絵皿2枚」
径18.0×18.0高3.0cm
ともに細い線で滑らかに描かれた文様。御本の出方で印象が変わります。
中川浩「窯変銹絵皿」 径20.5×20.5高4.0cm
濃淡で描かれた葡萄文。活かした余白に、よい具合に御本が出ました
金山由利佳「窯変銹絵皿」 径19.5×19.5高3.5cm
しっかりとした濃さで密度高く描かれた絵皿は縁の線が滲んでより強い印象に。