2009年7月3日
林屋晴三先生所蔵の楽茶碗特別拝見正会員親睦会 6月7日(日)
床の前から順に 長次郎、光悦、
15代 樂吉左衛門、鈴木 藏 各作家作
当倶楽部創立40周年記念シンポジウム(2007年5月)にて「茶の湯の茶碗 桃山と現代」と題し基調講演をして下さった林屋晴三先生。その折の流れから、先生のご所蔵の茶碗を手に取って鑑賞するという貴重な機会をいただきました。茶碗は、長次郎「住之江」 光悦「大ふく」のいずれも赤楽、鈴木藏先生の志野、当代 樂吉左衛門先生の焼貫、の四碗。
サロンで 利休と長次郎 光悦と常慶 プロとアマチュア 茶碗を作るということ などお話しを伺ってから、茶室で鑑賞。
緊張の後は、辻留の料理に舌鼓を打ちながら先生を囲んで和気藹々… 親交を深めました。
林屋先生のお話しより
長次郎の茶碗は、侘びの茶室 待庵 に似つかわしく 突き詰めて自己主張のない「宗易(利休)形」となり、樂家に代々「技」として継がれている。
常慶・道入 二代にわたり親交のあった光悦は「形」を真似ることなく 一作一作想いを込めて追及し、削った。若い道入は光悦から多くを学んだと思われる。
国宝志野茶碗 卯花墻を手に取り じっと見つめたその後に作られた 藏さんの志野茶碗に真似はなかった。
アマチュアも茶碗を作るにあたっては 名品を手本にしても表面的なものを写してはならない。巧拙問わず真剣に想いを込めること。まず精神を深めること。心の自由が一番大事。
光悦の茶碗を手に取る
出光会長(右)と林屋先生(左)
工房のいつもの作業台に新品のクロスを掛けてお食事テーブルに。
長次郎・光悦から樂当代へ 桃山から平成へ400年の時を越えて 現在 手のひらの中に茶碗がある。…手に確かな感触、胸に大きな感動が…。
余韻を楽しみながらのお食事会は、会員同士の話しも弾み、林屋先生からは思わぬこぼれ話も伺えました。