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2015年9月30日

陶芸家ご紹介④


滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)
滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)「無題」というタイトルの独特な造形的作品シリーズ、詩のようにたくさんの言葉を散りばめる「言葉」シリーズ、まったく異なる作風の作品それぞれに 土との語らいから紡ぎだされた「言葉」を込めている滝口和男先生。当倶楽部では2009年のアマチュア作品展で作品審査と「“言葉”から“形”を」と題した講演をしていただいています。
滝口先生からのエール
滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)
実用性のあるうつわ、そうでも無いオブジェなど、土と手から生まれる焼き物の形態や技法は実に様々にある。それは星の数のように無数と感じるのである。出来上がったものは時として上手い、下手、良い、悪いなど相反する言葉で表現される事が多々あるようだが、作り手のものに対する気持ちが一番重要なのだと、もちろんプロもアマもなく、思うこの頃です。物の影に人が見えるかどうかが大切なのだと。
1953年、京都五条坂に清水焼の卸問屋の家に生まれる。同志社大学経済学部中退後、京都市立芸術大学へ入学、教授はご近所であった八木一夫氏。当初から、土の板から作り上げられるふっくらとした丸みを持つ抽象的で複雑な造形とストイックな質感の「無題」シリーズを制作し現在へと続いている。その後休学するがアルバイトをしながら制作を続け、作品を八木宅に見せに行ったりしていた。八木氏に京展への出品を勧められ応募した作品がいきなり京都市長賞を受賞し、1ヶ月分のアルバイト代くらいの賞金を得る。「これは仕事としてやっていけるかも」と思い、アルバイトを続けながらも様々な美術展へ出品し、1985年 日本陶芸展で外務大臣賞、86年 日中国際陶芸展で準大賞、89年 日本陶芸展で最優秀作品賞(秩父宮賜杯)、90年 MOA美術館岡田茂吉賞展で優秀賞、91年 五島記念東急文化賞、日本陶磁協会賞と、そのことごとくで受賞を重ねていく。五島文化賞により、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに2年間の留学。英国留学を機に、まず「言葉」からイメージされた作品、あるいはできあがった作品から言葉(タイトル)が付けられた器のシリーズを作り始める。(以下2011年アマチュア作品展講演会より抜粋)
滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)  滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)

さまざまなテーマで作られる小さな作品の数々は、ほとんどが手びねりで、手ロクロも使わず新聞紙1枚で作ることが多い。幼い頃に見たものの記憶が時を経て熟成され、抽象化された形として作品になった「辞典シリーズ」、神話を演劇的に解釈し作った文章に基づいて生まれた「因幡の白兎」、原本(古典)を2年位かけて読み込み、自分なりの言葉に翻訳したものを一段一段形にした「徒然草」。
また物書きの友人の文章をイメージしたアクセサリーを作ったこともある。その時は銀細工を習い、金具も制作した。

滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)無題は、言葉にならない言葉を言葉とする、そういう試みのひとつ。このシリーズでは、常にどういう光の下、どういう空間で存在できるのかという問いかけをしてきている。それ以外にも、壁面に置く、空中に置く、草の上に置く、神社に置く、という展覧会もしている。やきものの持つ宿命、もののもっている宿命、どこに置かれるかということを最初に考え、作り始める。この無題は常にどの場所に置かれるかということによって作る形が変わっていく。自分でこういう形が作りたいというのではなく、場所をイメージすることで形が出来てくるというのが非常に楽しくて続けている。

滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)この無題は常にどの場所に置かれるかということによって作る形が変わっていく。自分でこういう形が作りたいというのではなく、場所をイメージすることで形が出来てくるというのが非常に楽しくて続けている。ものを作る時、どこに置く、どういう使い方をする、というのを最初に考えるやり方も結構楽しいので、皆さんもテーブルだけでなく いろいろ考えるとより楽しくなると思う。

滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)無題の作り方は、大風呂敷の上で、土の塊から手で1時間以上かけて、厚さ 5~7㎜ 大きさ畳1畳分位に伸ばす。これをやると手がパンパンに腫れてしまうが、麺棒などできちっと伸ばしていくと、粒子が揃うようで揃っていないので、手でやる。指先はつまむ等の機能はあるが、割と感じることができないので、肝心なのは手のひら。手のひらで厚みや凸凹を探り当てて成形していく。

滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)伸ばした土が程良く乾燥したら、それを風呂敷ごと吊りあげ、曲面を作っていく。風呂敷の端を絞り込んでは切り込みを入れ、そのカーブの中で卵のような形を作っていくのを基本にいろいろな形にしている。吊り上げられた作品は、一度完全に口を閉じ、薄い土のボールとなる。そうすると少し乾くと、内圧が高くなり、ほんの少し土が膨らむ。その膨らみを表面に残したまま、固く焼き上げる。これは自然が僕に教えてくれたひとつの効果。自然を上手く利用した作り方だと思う。

滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)この大風呂敷を広げる作り方をしているのは僕だけだと思う。大風呂敷は祖父から引き継がれている家宝のようなもの。昔、家では五条坂で陶磁器の販売をしていて、色々な作品を行李に入れ、それをこの風呂敷で包んで売り歩いていた。その風呂敷を使っているので、まぁ一応 家業を継いだことになるのかなと思っている。

滝口和男先生(KAZUO TAKIGUCHI)本年10月、英国セントアイブスに1ヶ月滞在し制作される予定。帰国後、「第32回 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展」の審査員を務めていただきます。また11月3日(火)~2016年3月31日(木)まで、大阪の「六感料理 世沙弥」にて隠崎隆一先生との二人展が開催されます。
滝口先生の情報はこちらでもご覧いただけます
http://www.bekkoame.ne.jp/~takiguch/
 
 
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