作陶する上で心がけていること 私の人生は先祖がつないでくれた多くの人との御縁によって支えられて来ました。この御縁を大切にし、感謝の気持ちを以て作陶に取り組んでいます。 また、麁相の美(表面は飾らず内面を充実させる/村田珠光のお茶の心得)を念頭におき、会津の歴史と風土から生まれる日本的美を備えた作品づくりを目指しております。
利鉢のきっかけ 日本陶芸展で準大賞を頂く以前は、作品名は一般的な鉄釉組鉢等としておりました。賞を頂く前、作品制作に行きづまった時、理想に近い作品が生まれ、その時に思い切って利鉢(としばち)と命名しました。
多種の釉薬を生み出す秘訣 若い頃は釉薬を科学で捉えようとしていましたが、今は、素材そのものの力をいかに発揮する事ができるか、五感を鍛える事の大事さを感じております。
陶芸一家としての会話 8年程前に息子が帰って来て一緒に仕事をしておりますが、会話の中にひらめきを感じることが多々あり、家内をはじめ、息子が何故と疑問に思う事には謙虚に耳を傾けるように心がけております。
今後について 世界が近くなった現代、日本的なるものとは何かを更に勉強していきたいと思います。
宗像窯では、江戸中期に築かれたと推定される全長約20m、幅約5m、窯内7室の登窯での焼成も代々受け継がれています。今も唯一稼働する東北最古の登窯として、会津美里町の指定文化財となっています。東日本大震災で大口とそれに続く2つの窯室が崩れ落ちました。最後にその登窯の再生についてお話しを伺いました。
福島県出身でトンネルを専門とする土木コンサルタント会社代表の大塚孝義氏が中心となり、大手土木会社や大学教授ら総勢36名の発起人を集め、AGFを始め地元の応援を受け2012年5月にプロジェクトが発足いたしました。ボランティアの方等による瓦礫の撤去作業から着手し、2013年4月に完成した登り窯は、東大寺の北河原公敬別当様に御揮毫頂いた奉納大仏茶碗をはじめとした作品を入れ、5月に初窯を焚きました。ただ生産性を上げるだけの窯ではなく、江戸中期にできた窯の持っている風格をいかに再現するかというテーマを持ち、皆さん一丸となってプロジェクトに取り組んで頂きました。
宗像先生の情報はこちらでもご覧いただけます http://www.munakatagama.net/