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2016年9月12日

陶芸家ご紹介⑤


宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)
宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)茶碗は用の美の究極に位置する、つまり宗像窯で制作している日常に根差した器の延長線上にあるという考えのもと、それらと茶碗を並行して制作することで 鉢や器などの用的部分に茶碗の美が自然にプラスされるようになったという宗像利浩先生の作品。自身の名前を一字入れた「利鉢」で1997年に日本陶芸展賞、2003年には同展 文部科学大臣賞を受賞。一般に鉢の縁は丸みを持たせ欠けにくくするところを、敢えて平らでシャープに作り ぴんと張った力強さと緊張感を併せ持つ口と見込みがその魅力となっています。
宗像先生からのエール
宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)
日本には国宝の抹茶碗が8点あります。そのうちの7点は中国産の窯変天目を始めとした無名の作です。しかし、1点だけ作者がわかる茶碗があります。その作者は本阿弥光悦という桃山時代の刀剣鑑定家であり、プロの陶芸家ではありません。プロの条件として技術は必要ですが、作品に美が備わり五感にうったえるものを作る為には、初めにこの様なものを作りたいという想いが大事だと考えています。さらにそれらの作品が持つ本質をひき出すには良い使い手と出会う事も重要であり、よい使い手に出会う為には、作者の人格が大きく影響をおよぼす事ではないかと思います。
1957年、福島県会津美里町出身。窯元の長男として生まれ、高校に入学する頃に家を継ぐ決心をした。京都嵯峨美術短期大学陶芸科を卒業し、出雲の出西窯で3年間修業。2005年、 宗像窯八代目を継ぐ。 約400年の歴史を持つ会津本郷焼。同じ地域の中で「的場土」「やけ土」という良質の陶土と磁土に向く大久保陶石を産出することから、陶器と磁器の二つが共存する日本でも稀な産地だが、時代の流れの中で廃業する窯元が後を絶たない中、宗像窯は現在土物(陶器)を守り抜いている。茶碗の土は白鳳山で採れる的場土の単味で、その他のものは耐火度の高い「やけ」のはたき土を混ぜた宗像窯伝統のものを使っている。一方、釉薬は飴釉、鉄釉、白釉、の宗像窯伝来のものに、独自の改良を加えた天目釉、禾目釉、瑠璃釉などがある。(以下青色字は宗像先生コメント)

宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)作陶する上で心がけていること   私の人生は先祖がつないでくれた多くの人との御縁によって支えられて来ました。この御縁を大切にし、感謝の気持ちを以て作陶に取り組んでいます。 また、麁相の美(表面は飾らず内面を充実させる/村田珠光のお茶の心得)を念頭におき、会津の歴史と風土から生まれる日本的美を備えた作品づくりを目指しております。

 

宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)利鉢のきっかけ  日本陶芸展で準大賞を頂く以前は、作品名は一般的な鉄釉組鉢等としておりました。賞を頂く前、作品制作に行きづまった時、理想に近い作品が生まれ、その時に思い切って利鉢(としばち)と命名しました。

多種の釉薬を生み出す秘訣  若い頃は釉薬を科学で捉えようとしていましたが、今は、素材そのものの力をいかに発揮する事ができるか、五感を鍛える事の大事さを感じております。

宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)陶芸一家としての会話  8年程前に息子が帰って来て一緒に仕事をしておりますが、会話の中にひらめきを感じることが多々あり、家内をはじめ、息子が何故と疑問に思う事には謙虚に耳を傾けるように心がけております。

今後について  世界が近くなった現代、日本的なるものとは何かを更に勉強していきたいと思います。

宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)宗像窯では、江戸中期に築かれたと推定される全長約20m、幅約5m、窯内7室の登窯での焼成も代々受け継がれています。今も唯一稼働する東北最古の登窯として、会津美里町の指定文化財となっています。東日本大震災で大口とそれに続く2つの窯室が崩れ落ちました。最後にその登窯の再生についてお話しを伺いました。

福島県出身でトンネルを専門とする土木コンサルタント会社代表の大塚孝義氏が中心となり、大手土木会社や大学教授ら総勢36名の発起人を集め、AGFを始め地元の応援を受け2012年5月にプロジェクトが発足いたしました。ボランティアの方等による瓦礫の撤去作業から着手し、2013年4月に完成した登り窯は、東大寺の北河原公敬別当様に御揮毫頂いた奉納大仏茶碗をはじめとした作品を入れ、5月に初窯を焚きました。ただ生産性を上げるだけの窯ではなく、江戸中期にできた窯の持っている風格をいかに再現するかというテーマを持ち、皆さん一丸となってプロジェクトに取り組んで頂きました。

宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)  宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)  宗像利浩先生(TOSHIHIRO MUNAKATA)
宗像利浩先生 個展情報
2016年11月23日(水)~29日(火) 日本橋高島屋
      12月21日(水)~31日(土) 高島屋大阪店

宗像先生の情報はこちらでもご覧いただけます  http://www.munakatagama.net/

第36回 伝統文化ポーラ賞の地域賞を受賞されるなど、作陶40周年を迎えた本年、ますますご活躍の先生。2016年秋、「第33回 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展」では作品審査に加え、その後の講演会で「陶と心」と題したお話しをしていただきます。
 
 
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