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2019年8月9日

陶芸家ご紹介⑫


浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)
浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)青磁による新たな技術、表現の追及を一生のテーマとして作陶をされている浦口雅行先生。伝統的な青磁のみならず、釉薬に氷砕状に入った貫入がプリズム化して虹色に輝く「黒燿砕」シリーズ等、重厚で複雑な発色を可能にしたオリジナル釉作品を展開。またその造形も酒器や茶器から青銅器を彷彿させる鼎や香炉等 ダイナミックな大作まで様々です。先生の幻想的ともいえる作品は多くの人を魅了しています。
浦口先生からアマチュア陶芸家へのエール
浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)

趣味でされている以上とことん楽しんで、頭を柔らかく、陶芸はこうあるべきと決めず、何でもチャレンジしてください。 初心者でもロクロがやりたければロクロをやる、とか。また、技法、アイデアはやりつくされていない。プロでも思いつかない、今までになかった新発見があるかも。時間をかけて採算度外視でやることで見つかることがあるかも。周りに迷惑かからない範疇で(笑) 面白いものを作ってください。

「青瓷黒晶博山鼎爐」

1964年、東京都杉並区生まれ。東京藝術大学で陶芸を学び、1989年 同大学院三浦小平二研究室修了。2年後、栃木県芳賀町に築窯。2001年、茨城県石岡市に工房を移転。
日本工芸会正会員 茨城工芸会会員 石岡市ふるさと大使 
(以下、先生に伺ったお話しの抜粋です。)
芸大工芸科に入り、鍛金・彫金・鋳金・漆芸・陶芸・染織の6つの講座の中から、それまでどれだけ手を掛けても最後に炎に託し、人の力の及ばない所で作品が生まれてくる神秘性に惹かれ、3年生の時に陶芸を選んだ。灰釉を手はじめに、田村耕一先生風の緑っぽい土ものの青磁を経て、青白磁を作っていた頃、三浦小平二先生が着任された。
浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)
「青瓷裂変輪刻彫双波鉢A」
青磁をやって、青銅器にも興味を持った。4000年前の青銅器をモデルに約1000年前に青磁は隆盛を極めたが、鼎の三ッ足香炉などは大きなものが全く残っていない。浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)
「青瓷銀彩香爐」
それは技術的にできないから。それなら現代に甦らせよう、挑戦しようと思った。
それが会場で驚かせるぐらいの規格外の大きさ、迫力につながっている。
変遷としては、青白磁→龍泉窯風青磁(磁胎青磁)→磁胎青磁に色絵→官窯青磁(半磁胎青磁)→青瓷黒晶(氷裂/陶胎青磁)。つまり器胎からにじみ出る鉄分の影響を釉薬が受ける青磁へと推移。官窯青磁の時に鼎の制作開始。大きい物、やきものの歴史への挑戦を意識していく。
最近では青磁に銀彩をしている。銀彩の所は釉を掛けず焼締めにしている。青磁と銀は相性がいい。シャープ、メカニカル。銀を硫化させていぶし銀にしたりもする。
陶胎だと貫入がよく入る。青瓷、青瓷黒晶、月白瓷、鶯瓷、米瓷。貫入があることで青磁の幅が広がり、深くなる。面が確かになってくる。貫入は釉薬と素地の収縮率の差によって生じ、完成後も少しずつ増え成長し、人間の寿命を超えたロマンがある。花入には捻じれて出る。墨(黒)、柿渋や弁柄(赤)、黄土(薄い黄)、三種類の色を時間差で入れることもある。
浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)

浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)
例えば東京での個展は3年毎だが、お客様のためにも画廊の方のためにも、釉薬や技法等、新しい作品を発表している。そのため本焼き時、必ず新しい釉薬の試験をして、未だかつてない、しかも自身が感動したものを作品化している。釉薬の試作で予想と違い、それが新しいものに発展することもある。例えば瑠璃燿砕。黒燿砕→海松瓷→瑠璃燿砕。これは黒燿砕の青いバージョンもあったらいいと思いテストをした。焼き上がってみたら、黒い茶碗だったが、光に当たると輝く。目指したものとは違うが、予想もしなかった新発見につながった。

上「窯変米瓷茶盌」 下「瑠璃燿砕茶盌」

浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)
「青瓷黒晶大鼎炉 天地B」
制作のどの工程が好きとかはない。苦しみしかないから。大作だと一年間かけて作り、窯で上げ割れしたことも…。立ち直る方法はない。落ち込んで、いやになって、窯の中に放置したままにして…。しばらくして他の仕事もあるから窯を片付ける。その代わりゴールの喜びは大きい。貫入に弁柄や黄土を入れたり、銀の磨きをしたり、完成間近の作業は楽しい。一年間が無駄になるかもという不安からの解放だと思う。 青磁をやる中で自分が発見した技法は何十種類もある。 また大きい作品で特大のバランスボールを型に使ったりと、必要に迫られての閃きもある。(左写真上部)
浦口雅行先生(MASAYUKI URAGUCHI)

「青瓷黒晶鉄流敲積花器」

今後の展望として、今あるものの進化形、試したいこと等、プランも方向も沢山ある。直近では銀彩を突き詰めたい。その後上絵も。2015年に叩いて積む敲積、青瓷黒晶鉄流敲積花器を発表したが、この技法でモニュメント的な巨大なものを作りたい。素焼きまでバラバラで焼き、石積みの要領で重ねて焼く。人の力と自然の力の融合がコンセプト。いかに自然の力を生かすか、人がどれだけ土をコントロールできるか、従来の青磁と真反対の仕事。 まだ見ぬ理想の地平を追い続けたい。
浦口雅行先生 展覧会情報
2019年9月26日(木)~10月2日(水) 「青瓷 浦口雅行展2019」 大和富山店
2020年3月26日(木)~ 4月1日(水) 「青瓷 浦口雅行展2020」 新宿京王百貨店
2019年秋、「第36回 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展」の審査員を務めていただきます。
 
 
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