金粉と金箔を豪華に使った刺身用の大皿とすし屋好みの大振な湯呑みに挑戦。湯呑みは、薄赤と灰色の下絵具を上下に塗った空間に、切り刻んだ金箔を楽しみながらまき散らす。大皿は厚めに作り、大胆かつ自在な感じが出るように素早く一気に削り出し、下絵具の白・黒・赤で全体を塗りつぶした。金箔は意識的に遊び破りをしながら右上部に。下部に掘り出した横線の上に金泥を大胆に豪華に厚く塗る。金箔は華やかに輝き、金泥を水やすりで丁寧に磨きだすことによってやっと現われる金色は、重厚な奥ゆかしさをもって輝いてくれた。刺身を盛るのが楽しみな大皿となった。
長山一夫