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2016年12月9日

第33回 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展受賞作品一覧

陶芸部門  本年度審査員 竹内順一・宗像利浩・伊藤北斗
(敬称略)

最優秀賞
長山一夫 「鬼灯文組器」角皿 径22.0 高3.5cm 5枚
小皿 径11.0 高3.0cm(最大) 5枚
 箸置 径3.0 高2.0cm(最大) 5ヶ
長山一夫
「鬼灯文組器」
角皿 径22.0 高3.5cm 5枚
小皿 径11.0 高3.0cm(最大) 5枚
箸置 径3.0 高2.0cm(最大) 5ヶ
技術的な面から選んだ。使ってみたいとすごく感じる作品。
宗像利浩
白の下絵具で、皿の全面を贅沢に塗る。中心に長角に残したスペースの、鬼灯を描く部位の下地を薄黒く塗る。その下地から鬼灯の実の大きさだけ拭き出す。そこに朱を落とす。その朱を中心に、鬼灯の殻核を白の線でエッチングする。1回目、翌朝見ると、線が太くぼやけ、失敗。全面洗い流す。2回目、絵が成功し、透明釉を掛け本焼きも、皿全面の白にむらが発生、朱も白線もぼやけてしまい、失敗。3回目、気を取り直して土練りから。絵柄も良く、朱の上に透明釉を一滴落とし、さらに透明釉を掛け本焼き。全面に掛けた白の発色が柔らかく、朱色が可愛らしく、刺身を盛ると、鮮やかに映え、久々の感動。
長山一夫
優秀賞
許斐順子 「金白金彩木蓮図飾大皿」径38.0 高7.5cm
許斐順子
「金白金彩木蓮図飾大皿」
径38.0 高7.5cm
和食器のいいものは盛ってある料理がなくなっても、そこにあるだけで存在感がある。そういうものをこの作品に感じた。
宗像利浩
辛夷が満開になり、次いで木蓮が大きな蕾をふくらませます。この春の光景が私は好きで、その息吹、喜びを黒釉の大皿全面に、金と白金(プラチナ)をたっぷり使って表現しました。
許斐順子
谷川徹三賞
小堺ひとみ 「自由自在干支時計」 時計盤 径10.5 高 4.0cm 数字15ヶ
小堺ひとみ
「自由自在干支時計」
時計盤 径10.5 高 4.0cm 数字15ヶ

造形的にすごく魅力がある。よくある陶板ではなく、敢えて数字と盤を別々に作って、さらに数字を立体的にし 干支を加えて楽しさもでている。楽しさもあり実用性もあり、また数字を使って時計以外のことにも活用できそう。
伊藤北斗
干支をモチーフにした「刻時計」の予定でしたが、子の刻から丑の刻までが2時間であるために、24時間の時を刻む物が見つからず単なる干支が付く「干支時計」となりました。伊藤北斗先生の寸評はとても心に響くものであり「アマチュアならではのアイディア・発想の意外性・作品の持つ発展性」を見出して頂き感謝しております。今後の作陶では常にこの評を頭に入れ、挑戦したいと感じた「谷川徹三賞」の受賞となりました。
小堺ひとみ
耳庵賞
佐々木邦彦 「黄瀬戸菖蒲文角皿一対」 径22.0 高6.5cm 2枚
佐々木邦彦
「黄瀬戸菖蒲文角皿一対」
径22.0 高6.5cm 2枚

非常に完成度が高い。型を使っていると思うが、形の美しさと、縁の周りのラフな残し方がすごく上手。絵付けのトーンのバランスと銅の入れ方もそつなくキレイにまとまっている。
伊藤北斗
私は大正末に生を得、日本国歴史上最大の激動期、昭和は強くして生き抜けましたが、反面大事な心の‘ゆとり’、公的教養の足らざるを思い返され、残念としておりました。後年陶芸に誘われ、幸い日々充実を得、早十五年余、今年卒寿を迎えさせていただきました。数年前、老夫婦にて伊万里、唐津から萩を旅しました。唐津焼、自然美溢れる中里隆先生の里。幸い先生にお会いでき、早朝でしたが既にロクロを回され作陶中にて、静寂、先生の呼吸、手捌き、眼光、私には創造への厳粛な迫力にて、感動でした。先生は私に対し作陶は自らの思いが大事。模倣に頼らず、失敗を恐れず、是非挑戦を楽しんで…と。私も体調は老相応ですが、気力丈は旺盛、元気にて、挑戦しております。
佐々木邦彦
NHK厚生文化事業団賞
池田秀子 「組皿 ブルーローズ」 大皿 径25.0 高5.0cm 小皿 径13.5 高2.5cm 5枚
池田秀子
「組皿 ブルーローズ」
大皿 径25.0 高5.0cm
小皿 径13.5 高2.5cm 5枚

色を暗く抑えるのがとても難しいと思うが、その組み合わせがとても上手くできている。大皿も小皿も縁の白さがとても活きている。
竹内順一
東京南ロータリーの作陶会をきっかけに倶楽部に入れて頂き 約8年、色々な物を作りましたが、黒土は私にとって作陶のイメージが湧きやすい土のようで、ここ数年 夏になると黒土を好んで使っています。今回は大小の皿に白化粧土を筆やスポンジで乗せてバラの花を描き、釉薬と塩化コバルトで色を着けました。深みのあるきれいな色に焼き上がり、思いもよらず賞が戴けましたのは、先生方のご指導と土や火の神様のお陰です。感謝申し上げます。
池田秀子
毎日新聞東京社会事業団賞
田口葉子 「記憶のかけら」 径10.0×11.0 高2.0cm 6枚
田口葉子
「記憶のかけら」
径10.0×11.0 高2.0cm 6枚

乾山の土器皿のように素朴でとてもいい。現代の土器皿だと思う。私は作品タイトルをよく見るが、記憶のかけらという、そういう発想もすごくいい。
竹内順一
出光美術館を訪れるたび、常設の陶片コーナーで色々な陶片に思いを馳せることを楽しんでいます。そこでは、陶片の“かけら”の一つ一つが、色々な想像を掻き立てる魅力を持っている事に気づかされます。今回の作品では、自分の遠い記憶を陶片の“かけら”に重ねるような表現を目指して、一つ一つのかたちと、色化粧の重ねの景色に工夫すること試みました。
田口葉子
宗像利浩賞
出光昭介 「釉彩干支図深鉢」 径23.5 高13.0cm
出光昭介
「釉彩干支図深鉢」
径23.5 高13.0cm

伸び伸びとしていてそれでいてキリッとしている。描こうと思ってなかなか描けない絵。器の形も茶碗から派生しているのを感じる。光悦や半泥子のような魅力を感じる。
宗像利浩
結構な年となるようにケッコウケッコウと鳴いている鶏を描きました。
出光昭介
竹内順一賞
谷中耀子 「ジュピターの誘惑」 径43.0×71.5 高26.0cm
谷中耀子
「ジュピターの誘惑」
径43.0×71.5 高26.0cm

染付の色合いが非常に理知的でありながら、全体はとても大胆。理知と大胆が同居して素晴らしい作品だと思う。
竹内順一
ジュピターとは、ギリシャ神話の最高神ゼウス、この神にちなんで名付けられた木星を指します。沖縄の美ら海(ちゅらうみ)水族館を訪れ、ゆったりと泳ぐマンタを見たとき、水槽の中の小宇宙にゼウス舞い降り、手招きする幻影を見ました。ジュピターの誘惑。私たちの世界は、憧れとときめきに満ちています。
谷中耀子
伊藤北斗賞
大橋清子 「さかなくん大集合」大皿 径28.5×31.5 高3.5cm 小皿 径15.0×16.5 高2.5cm 6枚
大橋清子
「さかなくん大集合」
大皿 径28.5×31.5 高3.5cm
小皿 径15.0×16.5 高2.5cm 6枚

大皿と小皿のバランスがとてもいい。模様も絵替りになっていてとても楽しく惚れてしまった。ただの丸ではなく楕円にした形もセンスがいい。
伊藤北斗
此度は思いがけず「伊藤北斗賞」を賜り、感激しております。毎年「軟彩の会」には楽しみに参加しておりますが、今年はユーモラスな魚を絵柄に選び、モザイク風に彫ってみました。色も大好きな彩りになりました。会場で伊藤先生にご挨拶したところ、「“お若い方の作品かと”思いました」とのお言葉を頂きました。せめて作品だけでも…と思い、これからも作陶を楽しんでいきたいと思っております。
大橋清子
日本画部門  本年度審査員 滝沢具幸・宮城 真
(敬称略)

優秀賞
柴田和子 「Letter ‐冬」 62.0×55.5cm
柴田和子
「Letter ‐冬」
62.0×55.5cm
冬空の空気を銀泥等を使い表現し、銀杏の樹の枝振りの繊細さとよくマッチしている。
宮城 真
ご無沙汰しています。東京に引越して早5年になりました。私の住んでいる近辺は名所の公園や神社も多く、都北とはいえ木々も豊かな気がします。それでも私は、隣の会社の駐車場に一本だけ残された銀杏の木に心魅かれています。車を沢山収容しようと思えば当然邪魔なはずです。何故残したのでしょうね。深い意味はないかもしれませんが、ここを通る人にも会社の窓から眺める人にも憩いを与えているのは確かでしょう。葉が繁る頃、又 お逢いしましょう。お元気で。 
柴田和子
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