トピックス

2024年11月29日

2024年度 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展 10月26日(土)・10月27日(日)

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

陶芸を通して日本の文化に触れていただく秋の文化祭「アマチュア作品展」。
“秋”と呼ぶにはまだ暑さの残る中、多くの方にご来場いただきました。
当倶楽部会員153名による 陶芸部門・日本画部門合せて195点の力作の鑑賞と、
手びねりや電動ロクロでの作陶体験、
お茶席でのお菓子とお抹茶一服などお愉しみいただきました。

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展 展示
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
人気投票受賞作品へ
皿や鉢など日常使いの器、茶碗や水指などの茶陶、今年の干支龍の陶彫や立体的な牡丹の飾り陶板などアマチュアならではの想い、アイディアあふれる楽しい作品が並ぶ会場。一点一点じっくりとご覧になる方、お友達と感想を話しながら楽しそうにまわる方、まずはお知り合いの作品へと直行する方、鑑賞の仕方も様々です。
人気投票の作品選びは悩みながらもお気に入りのやきもの3点、日本画1点をお選びいただき、投票後の抽選では恒例のやきものプレゼントに一喜一憂お楽しみいただきました。(有効投票者数445名)

喫茶
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

3階の茶室では、登窯で焼成した花入など会員制作のお道具(会期写真参照)を取り合わせてのお席で、会員有志によるお点前でのお抹茶一服お楽しみいただきました。今年のお菓子は菓匠菊家の“どんぐりころころ”です。

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
 第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
作陶体験
人気の作陶体験。手びねりでは指で土を締めて茶碗や花入に、土の塊を叩いて板状に伸ばして皿にと自由に形作りを楽しみました。電動ロクロは回転する土を上手く形にするのに苦戦しながらも、やわらかい土の感触は格別と…。参加者にはリピーターも多く、作品のクオリティーも年々高くなってきています。
今回は、釉薬の選択肢も伝統的なものに加えて、トルコブルー・クロムピンクなど明るい色調のものが多くなりました。

焼き上がった作陶会作品のお渡しは12月17日(火)からです。

手びねり

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

 電動ロクロ

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

作品審査2024年度審査員 陶芸部門 前田正博・田村星都・栗原直子 (敬称略)
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
前田先生

審査員の先生方にはじっくりと時間をかけて作品をご覧いただきました。前田先生・田村先生にはご自身の賞をお選びいただき、最優秀賞等各賞は合同審査にて決定致しました。
受賞作品一覧へ
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
田村先生

第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
陶芸部門合同審査

講演会
陶芸家田村星都先生に演題「九谷焼細字の世界~文字を器にデザインする~」でお話いただきました。聴講者からの質問も的を射ていて、先生にもご満足いただけました。 第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
授賞式
講演に続いて、受賞作品の発表を行い、審査員の先生方から作品についてコメントをいただき、表彰式を行いました。

受賞作品と審査評はミニギャラリーページでご覧ください。
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
懇親会
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
懇親会会場内に展示した受賞作を前に審査員前田正博先生と。
最後は同会場で先生方、ゲストを交えて懇親会に。東郷神社から差し入れの日本酒(御神酒)で乾杯。東郷記念館の見た目も美しく、おいしい和食をいただきながら陶芸談義に花を咲かせ、会員同士の親睦も深まりました。
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展
第41回 日本陶芸倶楽部 アマチュア作品展

田村星都先生講演「九谷焼細字の世界~文字を器にデザインする~」要約
陶芸家が多く、磁土(花坂陶石)も採れる石川県小松市で絵付職人の家に生まれた。
跡を継ぐ事ばかり言われ幼少期は嫌で仕方なかった(笑)。進学も就職も全く違うジャンルだったが、一生続ける仕事として、良いと自信を持てる物を作っていきたいとの思いから、改めて家業である九谷毛筆細字に興味が湧いた。
九谷焼技術研修所や父である3代敬星の元で一から九谷焼の勉強を始め、懸腕法を練習するなど24歳から必死に修業した7年間だった。
分業制が発達している九谷ではかつては問屋が中心となって工程を仕切り、成形→焼成→色絵と各職人の元に作品が回されてきた。当初細字は色絵の後、最後に空いているスペースに施すため、おのずと茶碗などの内側に描くことも多かった。
明治期、京焼や中国にも細かな文字を描くやきものはあったが、初代の小田清山がより日本らしさをイメージした万葉仮名での作品を始め、それ以降その作風や技術が注目されるようになり、細字をメインに考えた色絵作品も増えていった。
そして各代が絵付以外の技術も習得を重ね、自分が4代目を継ぐ時にはさらにロクロ成形技術も身につけた事で、造形と絵付、文字が一体となったさらに高い芸術性を目指す意識が強くなった。
筆は熊野製。書き順通りに文字を描くとは限らず、筆を下から上に引き上げたりもするためタヌキなど弾力がある毛が良い。
和歌や俳句を描くことが多く、デザイン上改行をせず上下に収まるようにするため、まず歌を覚える必要があり、その上で作品の丸みや歪みに合わせて奥ほど文字を長めにするなど視覚効果も計算していく。また連綿線は最後に付け加えてサラサラと流れるように見せるのも技術。
また古典柄の色合いを現代風に調合し直したり、平安時代の色紙をモチーフにしたり、歴代のレベルを追求しつつ同時に自分らしさと今の人に共感してもらえる作品を心がけている。
地場産業である九谷では、多くの陶芸家、様々な職人の方々の力をお借りできる。そんな中にある、古典文学・仮名書・絵付・その他陶芸の要素がギュッと詰まった現代の毛筆細字。自分にしか取り組めない事なのだと自覚を持って、文字にしか出せない魅力を思い、言葉と用途と絵付が三位一体となったストーリーを表現できればと思っている。


 
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日本陶芸倶楽部
〒150-0001 東京都渋谷区
神宮前1-5 東郷神社境内
TEL.03-3402-3634
FAX.03-3470-2528

一般社団法人 日本陶芸倶楽部

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